出典:毎日新聞より引用
阪神タイガースの矢野燿大監督が、2020年の開幕巨人3連戦で日替わりで先発捕手を起用しました。
阪神には2年連続(2020年開幕時点)でゴールデングラブ賞を獲得した梅野隆太郎捕手がいます。
それにも関わらず、開幕巨人3連戦は日替わりで先発マスクが変わりました。
そして、結果は開幕3連敗の最悪なスタート。
その起用法に対しファンやマスコミは疑問を抱いていましたが、その起用法に対する理由は明らかにはされていませんでした。
ところが、年が変わった2021年1月2日のラジオ番組で矢野燿大監督が、その「理由・意図」を話しました。
今回は、その事について書いてみたいと思います。
矢野燿大監督が開幕巨人3連戦で日替わりで捕手を起用した理由・意図
①開幕前に3人の捕手が全員良い結果を出していた為
矢野監督が語った1つ目の理由は「開幕前に3人の捕手が全員良い結果を出していた為」です。
梅野、原口、坂本。
「3人が、それぞれ、打撃も含め良い結果を出していた」と矢野監督は言っていました。
開幕1戦目バッテリー 梅野ー西
開幕2戦目バッテリー 原口ー岩貞
開幕3戦目バッテリー 坂本ーガルシア
そして、矢野監督は3人の捕手の特徴を次のように話しました。
梅野 ワンバウンドを止めたり、盗塁を刺したり、打撃も良く、総合力が1番高い。
原口 表にあふれ出る一生懸命さがあり、3人の中で打撃力は1番高い。
坂本 投手との関わり方や配給面全体を見る力が高い。投手に対する気配りやコミュニケーション力も優れている。
矢野監督は3人の捕手がそれぞれ違った特徴を持っていると思っています。
そして、3人の捕手が開幕前、好調だったのです。
もし、調子が良くない捕手がいた場合は日替わりで3人が出場することはなかったのでしょう。
➁前年に巨人に敗け越していたので、違う事をやっても良いのでは?と思ったから
2つ目の理由は「前年に巨人に敗け越していたので、違う事をやっても良いのでは?」です。
前年、2019年も阪神は巨人戦に敗け越し(10勝15敗)。
なので、矢野監督は巨人戦で違った事を試そうとしたと言っていました。
捕手が変わると配球も変わりますから、そういう変化を試したのです。
そして、上手くいけば、それを継続。
失敗すれば、元に戻す。
そんな考えがありました。
結果は完全な失敗に終わります。
そして、その後の巨人戦の先発マスクは10月3日まで、ずっと梅野。
巨人戦も梅野が正捕手として出場しました。
開幕の巨人3連戦での日替わり捕手起用は失敗だったと矢野監督は考えたのでしょう。
元のように梅野を正捕手として巨人戦を戦いました。
しかし、結果として、2020年の阪神の巨人戦の対戦成績は8勝16敗。
2019年の10勝15敗よりも悪い結果となってしまいました。
矢野監督の梅野に対する気持ち
また、今回のラジオ番組では、矢野監督の梅野に対する気持ちみたいなものも感じられました。
アナウンサーの方が矢野監督に「開幕3連戦で梅野をスタメンから外すことを説明した時、梅野本人は、どんな感じでしたか?」というような質問をしたのです。
それに対し、矢野監督は「梅野は言わないが、ムカついていただろう」、「逆にムカついてくれなかったら困る」と答えました。
矢野監督は現役時代、阪神の正捕手で、しかも優勝捕手。
梅野の気持ちも分かるのでしょう。
そして、矢野監督は、自身の現役時代の話をし、「自分が2003年の現役時代は日曜日は試合に出れなかった。(2番手捕手)野口が日曜日に活躍したら、それ以降、試合に出れないのではないか?と心配になった」という話をしていました。
そんな経験もある矢野監督。
「安心を与えると選手には良くない」という事も、今回のラジオ番組で言いました。
自身が野口捕手と競争したように、梅野にも競争をさせ、更にレベルの高い捕手になって欲しいのだと思っているのでしょう。
そして、梅野は、もっと伸びしろがあると思っているからこそ、そのような競争をさせているのだと思います。
巨人との開幕3連戦を日替わり捕手で戦ったのも、競争をさせるという考えがあったからではないかとも思います。
まとめ
阪神タイガースの矢野燿大監督が2020年の開幕巨人3連戦で日替わり捕手で戦った理由・意図について書きました。
①開幕前に3人の捕手が全員良い結果を出していた為
➁前年に巨人に敗け越していたので、違う事をやっても良いのでは?
という理由・意図があると矢野監督は語っていました。
さらに、その他には、梅野の競争意識を煽り、成長させる為という考えもあるのが分かりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。